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ピアノと一緒に [violin(子ども)]

息子のヴァイオリンの練習時は、最初の、そう本当に最初の数週間くらいは、「はい、もういっかいやろうかー」「こうやって。そうそう、じゃ、つぎこうして〜」とやっていましたが、最近は、

「そうじゃない!弓の角度はこうしないと!」
「弓が真っすぐ動いてない!」
「フニャフニャの音になってる!」
「隣の弦を鳴らすな!ほら、また鳴った!」
「音が高い!(低い!)」
「2の指の場所が間違ってる!」
「考えながら弾きなさい!」
「音が汚い!綺麗な音で!」

などと、相当厳しく言っています。あぁ、これでは、息子がヴァイオリンを嫌いになってしまうかも知れない、と悩むこともしばしばありますが、それでも、真剣に向き合えば向き合うほど、ちゃんとやって欲しいと思ってしまいます。

でも、うちの息子。私の厳しい言葉に泣いたりしますが、私の言葉にキズついて泣いているのではなく、自分が思ったように弾けないことに、イライラ怒って泣いているのです。私の言葉には全く負けずに、「もうっ!」「おかーさん、いわないで!」「フニャフニャじゃないもん!」「うーーっ!」と怒りながら、弓をぐちゃぐちゃに動かして、酷い音を鳴らしたり、楽器を持ったまま私に詰め寄ってきて、「なんじゃこりゃ〜」と言わんばかりに、おでことおでこをくっつけて睨んできます。

息子が、ちゃんとやろうとしなかったり、「おかーさん、これで遊んでから〜」「もうちょっとしてから〜」「もう やだ〜」「おかーさん、おてつだいしてくれる〜? おてつだいがないと まちがえちゃうもんー」とごちゃごちゃ言って練習時間を遅らせようとすると、私は容赦なく、

「じゃぁ、もうやらなくていいよ。自分でやるって始めたんでしょ。自分でやるって決めたこと、ちゃんと出来ないのね。じゃ、もうこのヴァイオリン、要らないね。お父さんがTちゃんにって、一生懸命お仕事して買ってくれたの無駄になって残念だけど、ヴァイオリンやりたくても出来ない人のところに行って、あげてこようね」

と言い放ってしまいます。

息子が楽器を大事にしなかったり、弓を振り回したりする時にも、
「もう、やらなくて良い。もうK先生にやめますって、お電話しておくから。」
と言うこともあります。

「もう、良いんだね?」と最後の言葉を私が言うと、息子は、泣きながら
「ちゃんとやるー。ヴァイオリンやるー」
と言っていました。何度確かめても、ヴァイオリンは続けたいと言いました。

「間違った練習は、何度やっても意味がないの。お母さんは、先生がちゃんと教えてくれなかったし、お家でも誰も一緒に練習してくれる人はいなかったんだよ。Tちゃんは、毎日ちゃんとお母さんが一緒に練習できるんだよ。凄いことだよ。K先生も正しいことをちゃんと教えて下さってるんだよ。ちゃんと弾けるようになったら、他の人とも弾けるようになるし楽しいよ〜。オーケストラにも入れるし、そうしたら、全然別の楽器の人達もいるんだよ。楽しいよ〜。V先生(私の先生)にもレッスンしてもらえるし、Tちゃんが良い音でヴァイオリン弾いたら、聴いてくれる人みんな喜んでくれるよ。あとは、Tちゃんが練習するだけなんだよ。お母さんはね、何度でも、間違ってたり、変だったら言うよ。」

こういうやり取りがしばらく続いていました。近所中に響き渡る息子の泣き声と私の怒鳴り声に続いて、必死のヴァイオリンの音が鳴っているーーー、あの家、いったいどうなってんの?あのお母さん、怖いわーと思われていそうで、私自身どうしたものかと思っていました。。

ここまで書くと、なんか壮絶に厳しい練習をさせているようですね。。。汗。
でも、息子の様子を見ていると、ヴァイオリンは本当に好きなようです。

それが、ここ1週間で、とてつもなく息子が上達しています。
1週間前私がインフルエンザで布団に入ったままで、息子の練習につき合ってあげられなかった時に、息子が一人で夫の前で一生懸命考えながら練習をしたのが良かったのか、合同練習で「ぼくちゃんと弾ける!」と思えたのか、先生や私に注意されたことをちゃんと正してみると、確かに良い音がする、という気付きが彼の中で起こったのか、何がきっかけかは分かりませんが、明らかに何か変化が起きています。息子の成長に驚きを隠せません。

先日のレッスンで、スズキの1巻3曲目「こぎつね」に入りました。レッスンも普段の練習も、次の曲に進むと、前の曲は終わりではなく、プラスしていきます。なので、1曲目の「キラキラ星変奏曲」2曲目の「ちょうちょう」も毎日弾きます。キラキラ星は、「タカタカ タッタ」「タタ ツ タ」「ジョーズニ ジョーズニ」「リンゴ リンゴ(タタタ タタタの三連符)」「キャラメル キャラメル(タカタカ タカタカ)」「テーマ」と6パターンあるので、途中で間違えると、どう間違えたのか考えさせ、間違えたところをまずやり直しさせ、最初から弾かせ・・・、とやっていると、結構な時間になります。

レッスンで、先生に「キラキラ星は歳の数だけ。ちょうちょとこぎつねは歳の数より1つ増やして練習してきてね」と言われ、私は内心、ひ〜、1曲増える度に、これから大変だぞ〜、と思っていました。間違えると、息子自ら「間違えたの?Tちゃん もう一回やるの?」ギコギコギーーーーッ!と怒りだすので、それを抑えながら、繰り返しやるのか、あー、頑張らないとなー、親が投げ出すわけにいかないもんなー、という感じ。どうしたものか。

そこで思いついたのが、ピアノに合わせて弾かせること。

弓の動きや指の位置、手の角度、良くないことはとことん指摘しますが、伴奏をつけてやれば、気分良く弾けるのでは、と思ったのです。

この練習は効果抜群。

伴奏があると、ピアノに合わせよう、という気持ちがどんどん働いて、音程がよくなりリズムが整ってきます。間違えて弾いていると、ピアノと合わなくなり、自分がミスをしたのだとハッキリ受け止めなくてはいけませんが、私の意識が半分ピアノにいっているので、ネチネチ怒られることがないのも手伝ってか、それほど息子もイライラしていません。

「トシのカズだけね、だから、4かいね」と、自分で先生に言われたことを忠実に守り、毎日こなしています。私が、ちゃんと弾けてるから、もう1回やらなくてもよさそうだ、と判断しても(黙っていますが)、自分で「もう1かいね」と弾きます。

この週末、練習をずっと側で見守っていた夫も、驚いています。「曲になってる!楽器が良い音してる!」と。

今日は少しテンポを早めて前奏を弾くと、しっかりそれに合わせて弾き始め、最後まで弾ききっていました。出来てないことを指摘すると「もう、おかあさん いわないで!」と何度か怒っていましたが、私が無視してピアノを弾き始めると、直ぐに息子も弾いていました。

毎日「昨日よりも今日の方が何倍も上手」という感じです。上手に出来た時は、何度でも「今日は素敵だった!本当に良い音がしていたよ!すごいじゃない!Tちゃん、お母さん、感動したー!本当に上手になってきたね」と抱きしめてキスして褒めまくります。息子も「ありがとー」と答えます。

練習時に息子が泣かないこと、私も怒鳴らずに済むこと、親子で笑顔で練習が終われること、これがどんなに精神衛生上、重要か。。。

とにかく子どもの成長のスピードは凄いです。
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