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悲しみの中で [daily life]

昨夜遅く、悲しい知らせを受けました。
ボストンにいる、我が家にとって大切な人が亡くなった、と。


夫と私が初めてボストンへ行ったは2003年のこと。夫の仕事で10か月の期限付きでの滞在の予定でした。それが、僅か10か月の間に、思いがけず素晴らしい出会いが沢山あり、私達の人生は大きく変わりました。滞在期間が終わり一旦帰国してからも、繋がりが今まで切れることはなく、頻繁にボストンと日本を行き来し、帰国後私ひとりで再度ボストンに滞在したり、息子が生まれてからは、夫の研究出張に合わせて、息子を連れてボストンへ何度か行ったりし、最初にボストンに滞在した時からもう10年以上の年月が過ぎました。その間、新しい出会いも重ねて、多くの素敵な人間関係に支えられて、夫は研究と日々の仕事を続け、私はヴァイオリンを続けてくることが出来ました。

夫と私にとって、ボストンで知り合った大切な人達も、だんだんと年をとってきて、悲しい知らせを受けることは、既に何度か経験しています。その度に胸を痛めますが、昨夜の知らせは、特別大きな悲しみとなっています。それは、ボストンとの繋がりをより豊かなものへと導いてくれたJackが亡くなったから。

Jackは御年90歳。出会った時既に70代後半だったので、思えば、彼と接する時は、いつ何が起きても受け入れなくてはならない、という思いが絶えず頭のどこかにありました。なので、ボストンを訪れる際には、必ず一緒に過ごす時間を持っていました。というか、彼の方がいつも楽しい計画を立ててくれました。それが、もう出来ません。病気で入退院を繰り返しているのは知っていましたが、一緒に過ごす時は、いつもしんどいことは一切口にせず、私達と一緒にいる時間を大切にしてくれていました。ここ2年は会いに行けていなかった。。。息子が小学校に上がり色んな活動が入ってきて、夏休みに行くことが出来ませんでした。あぁ、悔しい。。。

Jack夫妻は、2003年のボストン滞在中に通い始めた教会で、私達夫婦を、そう、ありのままの私達ふたりを、丸ごと受け入れてくれた最初の人です。歴史ある大きな教会で、そこにはたくさんのメンバーがいますが、最初に声をかけてくれたJack夫妻と初めて言葉を交わしたその瞬間、私達を受け入れてくれている、あぁ、私達のいるべき場所はここなんだ、と夫も私もそれぞれに心底確信が持てたのは、何度思い返してみても、本当に不思議な体験でした。夫の研究所での出会いや私のヴァイオリン関係の出会いも、どれをとっても素晴らしいのですが、Jack夫妻が多くの人に尊敬され、認められている人達だからでしょう。夫妻が私達を受け入れてくれたのをきっかけに、他の教会の人達も続いて私達に心を開いて接してくれて、より深く付き合うまでになったのでした。私達が異国の地で安定した精神状態で全力で毎日を送れたのは、Jack夫妻のお陰。10年以上経った今でも、皆と変わらず親しくお付き合いさせてもらっていることに、ただただ感謝です。

あの時はこんなことがあった、こんな風に接してくれた、とJack夫妻&息子さんと過ごした楽しかった時間を1つ1つ思い出すと、ただただ涙が出てしまいます。昨夜はお風呂の中でいっぱい泣きました。

インテリで、ちょっと使う言葉が難しくて、質問されていることがよく理解できないこともありました。でも、私達の考えや活動、生き方、日本のこと、家族のこと、仕事のこと、何でも興味を持って質問し続けてくれました。何度もホームパーティーに招いてくれて、私達がたくさんの人と一緒に過ごして、交流を増やすようにしてくれました。心の温かい、ボストンでのお父さんのような存在だったJack。最後は病気との闘いで、本当に大変だったでしょう。ここのところJack夫妻には、メールを出しても全然返事が来ていなかったので心配していました。息子さんと時々facebookでやりとりしていますが、病状については、全然聞いていなくて、息子さん、最近何も投稿していなくて、大丈夫かな?とちょうど思っていた時でした。

ご家族との最期の時を、幸せな気持ちで過ごせたことを祈りつつ、次のメッセージが届くのを待っています。昨日の知らせの後、息子さんには一言メッセージを入れましたが、今、私に出来ることは何だろう?と考え中です。


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